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 こちらは アメブロとpixiv に掲載していた作品を加筆修正を加えムーライトノベルズへ
掲載しなおしたものです。

 美咲は高校生CPが好きでして現在不定期連載中の『恋は思案の外』と
似たようなお話になっております。
 計6回の短いお話で、『恋心 ボクノオモイ』は完結しますが、単発的にスピンオフがあります。
 
 よろしければお付き合いください。


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『恋心 koigokoro ボクノオモイ』
#1 セツナイオモイ



 こんなにもクソ寒いというのに、中庭の一角に一組のカップルがいる。体育館脇の自販機の陰に隠れているつもりだろうが、無残にも俺のいる2階の教室からは丸見えな状態だ。
 昼食後の休み時間、俺は机に頬を付けじっとその二人の様子を見ていた。女の子はずっと頭を下げている。向かい合う男は、時折り手持ち無沙汰に首の付け根の辺りを撫でる仕草をしている。
 それは俺がよく知っているアイツの仕草だ。
 中庭の銀杏の木はすっかり葉を落として、外の寒さを余計に強調している。悲しい気分を誘うには、十分な格好だ。空一面に重たい雲の層が広がり、どんよりとして薄暗い。今にも泣きだしそうな表情を浮かべている。

―――やべぇ…。
 まるで今の俺の心の中を映し出されているようで、ものすごく気分が悪い。


 はぁ……。自然とため息が漏れ、頬杖をついていた腕を首筋に回して上半身を腕に預ける。
 あれ絶対に、あの娘に告られているなぁ。誰が見たってそうしか見えないだろ。これでもう何度目だよ。
 アイツは今フリーだからよっぽとどのことでない限り断ることはない。アイツの恋愛スタイルは、「来る拒まず去る者おわず」だからな。
 そうして、アイツに彼女ができるたびに俺は胸が締め付けられている。

 また、おいて行かれるのか……。

 っんだよ。ちょっと一緒にいられなくなるだけじゃないか。ただそれだけのことじゃないか―――。
 そう何度も、言い聞かせてみるけど、毎回それの繰り返し……。進歩ねーなぁ。学習能力低すぎだろ…。でも、どうすりゃいいのかわかんねー。俺はこらえきれなくなって顔を机に沈めた…。

「おーい。野島~。お前聞いてんのかよ」

 目の前に座る無礼極まりない男が、何度も俺の頭をはたいてくる。

「…んあぁ?……っんだよ。昼寝の邪魔すんなよっ」

 重い頭を持ち上げて、ぐちゃぐちゃになった髪をかきむしった。俺の周りで、先ほどから男どもが数名が輪を作ってくだらない話に花を咲かせていた。こうしてよく見るとむさくるしい。でも、嫌な気はしない。つーかむしろ、コイツ等のバカ面に救われているのかもしれない。

「ったく、何の話してんだよ」

 気持ちとは裏腹に目の前の男を上目遣いに睨みつける。
 その無礼極まりない山川臣多(やまかわ じんた)が、女の子たちがないしょ話をするみたいに口元を半分手で覆いながら、顔を俺の耳に近づけてきた。

「のじまくんさぁ~。キスしたことある?」
「え?」

 山川の耳元にかかる息が妙にくすぐったい。周りの男たちのニヤニヤと好奇に満ちたまなざしが、痛いぐらいに突き刺さる。
 あぁ…。あれだな…。童貞どもが好きな女の子との初めてのシチュエーションに甘い妄想でも巡らせてるってやつか?どいつもこいつも好きだよなぁこの手の話。まぁ。しかたねーよな、健全なる高2男子ならば…。頭ン中ヤラシイ妄想で膨れ上がってんだから…。今の俺にとっては、そんなことはどうでもいいことだけど。
 んん?待てよ。俺ってば、健全じゃないのか…?

『なーるー。キスしたことある?』

 封印していたはずのアイツの言葉がいきなり頭の中ではじけた。思いっきり心臓が強く脈を打ちつける。周りの奴らに聞こえてしまっているんじゃないだろうか…。思わず左胸のシャツのポケットを掴んだ。

 その言葉は、決して忘れていたわけではない。記憶から抹消するために無理やり箱に詰めて
鍵をかけて置いたんだ。なのにこのタイミングで、出てきてしまうなんて……。

「はぁ…。のじまくーん? 何トリップしちゃてんの?」

 山川は机に頬杖をつきニヤニヤしながら俺を見つめている。きっと要らぬ想像をしているに違いない。

「イヤラシ~」

 ほら、やっぱり……。生憎オマエ等の期待に応えられるようなことはねえよ。つうか、口が裂けても言えるよなことじゃねえしな。

「ばーか。そんなんじゃねーよ」

 すぐそばにある山川の厭らしい顔を跳ね返したが、なにか感づいているのか、痛てぇよとかいいながらも
目が美味しい獲物を逃すもんかと言っている。

「野島くんのえっち~」
「今、色々思い出していただろー。教えろよ。もったいぶんなよ」

 山川の言葉につられるように周りの奴らも調子に乗ってはやし立てる。黙り込む俺の態度に、あれこれと想像でいろんなことを言い始めている。もう好きに言っててくれ。


 俺と山川は、高校に入ってから知りあった。
 去年も同じクラスで、たまたま席が近くになって音楽の話になった時、好きなアーティストが一緒でることがわかり意気投合した。
 山川は中学の時からバンドを組んでいて、一緒にギターやんない?の一言で俺の新規加入が決まった。
話の分かるやつで、めったに他人の領域に入ることはない。
 でも、なぜか今日に限ってしつこく踏み込んできて俺の腕を払いのけると、さらに身を乗り出し顔が一段と近くなった。

「なぁー。マジでお前キスぐらいしたことあるんだろ? つーか、もしかして…最後まで経験済みだったりする?」
「はぁ? ノーコメント」

 再び寄せてきた山川の顔を押し戻した。
ノリが悪いのは、正直悪いと思う。俺がもしまともな経験をしているのなら、笑ってこいつ等に自慢話でもできただろうけどそんな気には到底なれない。話を合わせて受け流すことだってできるのだろうけど。

 俺の頭が固いのか?この手の話をぶっちゃけてすることに少し嫌悪感を感じてしまう。喉のあたりがカーッと熱くなって、言いようのない思いが溢れ出してくるのを必死に抑えた。なんだか山川に見透かされたような感じがしてまともに顔を見ることができず、窓の外に視線を向けた。

 さっきのカップルはもういなかった。

 周りの連中はというと、何だか一気にみんなのテンションが上がってしまっているようで、話がとんでもない方向へと進んでいる。

「ね。誰か練習しよーぜ」
「ばーか。キモいだろ。男となんかできるかよ」
「冗談に決まってんだろ。マジで返すなよ」

 あっ。思わずその会話に声が漏れそうになった。
 そうだよ……。普通はそうだよな。やっぱり男同士なんて…。ありえない。絶対にありえないんだ。降って湧いた発言に必要以上に否定を繰り返している。誰も俺の心の中なんて読めやしないっていうのに、必死に否定を繰り返していたら、山川と目があった。
 山川が不敵な笑みをうかべている。

 「あー。でも俺、野島だったら、イケるかもー」

 いきなり山川の腕が伸びてきて、有無も言わさず首根っこをつかまれた。
 次の瞬間―――。目の前の視界が遮られ、唇に生ぬるい感触の物が触れた。

 な…何?何これ。ん?俺キスされている―――――!

 無理やり山川の舌が俺の唇をこじ開け食いしばる歯列をなぞり、さらに深く侵入してきた。
 あ……。あの時と同じ…。気持ち悪い、やめろ―――。
 抵抗したいのに、体が思うように動かない。なされるがままの状態に、昔の忌まわしい記憶が重なり一気に脳裏になだれ込んできた。全身に鳥肌がたった。

「ねえ。何してんの?」

 教室の入り口のドアをたたきつける音が響きわたる。
 その声に体が異常なくらいにピクリ反応してしまった。俺はとっさに山川の肩をつかみ引き剥がし、声がしたほうに視線の先を向けた。

「か…かつや……」

 教室の入り口にみんなの視線が集中する。そこには、先ほどまで寒空の下にいた井上克哉(いのうえ かつや)が立っていた。





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読んでくれてありがとうございます。
よろしければ、また明日…







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