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このお話は『恋心 koigokoro ボクノオモイ』のスピンオフです

山川臣多(やまかわ じんた)サイドで書かれたお話です

あたし自身、彼がこんなにもキャラ立ちしてくれるとは思わず驚きました。

沢山の作家さんたちがスピンオフを書く心理を初めてその時理解しました…そんな作品ですw

この作品もちょうど1年前のモノです
バレンタインデーネタで4回にまとめたお話になってます
凄く短いお話なのでよろしければお付き合いいただきたいと思います


因みにこちらアメーバブログでは削除対象になった作品なのでR-18とさせていただきます
18歳未満の方の閲覧はお断りいたします



『恋心 koigokoro ボクノオモイ』目次



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 今週に入ってから、なんとなく教室の雰囲気が変わった。

どことなく甘たるーい香りが漂い、みんな落ち着きがない。もう、先週から色づき始めていたけどな……。

毎年のことながら、正直うざい……。

バレンタインデーなんてものはお菓子屋の陰謀の何物でもないだろう。

なんて、言葉に出していってしまったら、もらえる予定のないさみしい男の僻みにしか聞こえないからな…。ここはグッと堪えるんだけれど…。

 それにしてもこの浮かれようはどうにかならないのだろうか…。

オレの目の前にもなっ。すんげーうざい奴等がいる……。


「なぁ。鳴海? 聞いてる? 土曜日はうちに来るでしょ?」

「あぁん? そんな約束しったけ?」

「……わざと言ってるだろ。14日は空けといてって言ったじゃん」

「あぁぁ。そうだったけ…。つーか、こんなコト学校でいうことかよ…誰かに聞かれたら変に思われるだろっ」

 野島の視線が一瞬チラリとこちらに飛んできたのを気配で察知する。表情なんて見なくったて想像つく。


―――はいはいはい。しっかり聞こえてるっつーの。お前らの会話ダダ漏れだって…。変なオーラとばしてんじゃねーぞ。
 

 
 オレは、雑誌に夢中になって聞こえないふりをしていたのだが、このバカップルの甘々な会話に恥ずかしさ限界と思い一言突っ込んでやろうかとした。
 雑誌をパタンと閉じた音が思いのほか大きな音を立ててしまった。

 その時、野島と目があった。

 元々赤かったはずの野島は顔は、誰の眼から見てもわかるぐらいに耳まで真っ赤になり、気の毒な気さえした。きまり悪そうに俺から視線を外した。

「あ…っ。ち…ちょっと、トイレ行ってくる」

 そういって、野島は前髪をクシャクシャとさせながら教室を出ていってしまった。
 あれは、野島が困った時に見せる仕草だ。
 1人で大丈夫?と言わんばかりの井上の視線。心配すんなって掴まれた腕をそっと離す野島。二人の間の空気に会話が見える。

―――なんだ?? あの反応! 女子か??

 見ているこっちが恥ずかしくなってくる。俺は深くため息をついた。

 それにつられたのか、井上も大きくため息をつき窓の外を見た。途端に不機嫌な顔つきに変わる。井上にとってもオレは同じような存在なんだろう。
 残されたオレ達をつなぐものがなくなってしまって、急に居心地の悪い空気が結界を張っているようにピリピリしている。

 オレと野島は、コズミックアースというバンド活動をしている。もともとオレが中学からやっていたバンドだったが、高校入学当初にたまたま話をした野島と音楽の話で意気投合しオレが誘った。

 野島の加入でツインリードになり、オレにない繊細な音の響きでバッキングに厚みが出て重みのあるサウンドが出せるようになった。とは言えオレ達の音楽を披露できる場所なんて限られている。

そんな時に先輩がバイトをしているライブハウスで前座としてステージに立たせてもらえることになった。オレたちが想像していた以上に会場は盛り上がり、先輩たちやライブハウスのマスターからも賞賛を受ける。
 
年が明けて新学期が始まっても、オレらは注目の的だった。
 殊に、野島においてはオレが仕掛けたサプライズのせいで「作詞作曲ができて歌も歌える」と意外性を買われる結果となってしまった。

それだけでなく野島の作詞した『あの歌の想い人は誰だ』といまだにいろんな噂が飛び交っている。
 まさに、モテキ到来ってやつだ。

 歌だけならばこんなにも騒がれることはなかっただろう……。周囲は気づいていないだろうが、なまじっか事情を知ってしまっているオレは、あの日を境に野島の雰囲気が変わったことも原因の一つだと推測している。

 そんなことを考えていたら、急に腹立たしくなってきた。

 こいつらはもっとオレに感謝すべきなんじゃないかと…。

 目の前で涼しい顔をしていつもどこか余裕の態度を見せているコイツがオレは好きじゃなかった。すこし困らせてやろうと悪戯心が疼いた。オレは外を見ている井上の視線を拾うため、わざとパーソナリティーゾーンに踏み込んだ。

「なぁ…井上……。おまえらってさぁ、もしかして一線超えちゃった?」

「あん? そんな風にみえる?」

 井上は動揺する様子を見せることなく視線をよこすと頬杖をついていた腕をゆっくりと反対側に換えた。
さりげない無意識な動作でさえ、オレの気持ちをイラつかせる。

「聞き返すなよ。俺が質問してんだよ」

「気になるんだ。俺らの事…」

「ったく…。そーだなっ。どっちが上か下かぐらいは気になるかなっ」

「下世話だな……」

「素直って言えよ。まぁ、お前がアイツに突っこまれている姿なんか想像できねーけどな」

「はは…。逆は想像するんだ? 鳴海はね、すっごくかわいいよだよ……」

 井上は、オレの目を覗き込むように見据え、薄笑いを浮かべた。その行動は自信に満ち溢れ、オレの挑発に一向に怯む事などないという挑戦にも受け取れた。

「はいはい。ごちそう様。胸焼けしてきたわ……」

 困らせてやるつもりが、あてられてしまった…。
 何やってんだオレ。妙な敗北感を抱かざる得ない状況に、心の奥がチクチクと痛み出した。なんだって野島はこんな奴のどこがいいんだか…。イラつく……。

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