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こちらのSSはアメーバ―ブログで掲載している
「誰彼発恋。 ~たそがれはつこい」と連動しています。

お手数ですが、こちら→「誰彼発恋。~たそがれはつこい」バレンタインver.をお読みになってからこの先へ進まれることをお勧めいたします。




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もう何度目になるか分からないぐらい訪れたことのある先生のマンション。

地下の駐車スペースからエレベーターホールまでの響く質のいい足音とローファーのアンバランスさもすっかり慣れた。
ただ最初に尋ねた頃よりその音は鮮明に響く。

ホールの自動ドアが開く時、禁断の扉をくぐり抜けるようで毎回ドキドキする。真正面のエレベーターは扉が開いていてこちらの事情を見透かされているようで落ち着かない。扉が雑念ごと飲み込むように閉まる。

「優哉…何を考えている?」

背後からすっぽりと抱え込まれ耳朶に湿度を帯びた息がかかる。

「ん…。最初に先生のところに来た時と足音が違うなって……」

「色気のない奴だな…。それは、これから俺の家に行こうって時に考えることなのか?」

先生は二人きりになると言葉遣いが変わる。
こっちの方が本当の姿っぽくって好きだけど、俺の知らない先生が居るようで時々不安になる。
そりゃ先生は大人だから、過去にいろいろあることぐらい分かっている。愛されていることに慣れて欲張りになっているんだって言い聞かせた。

壁のパネルの8の数字が点滅すると、ゆっくりと静かに扉が開いた。

一番奥の角部屋に向い、先生から部屋の鍵を渡される。セキュリティーの解除ロックナンバーは俺の生年月日。
ベタすぎで笑える。

ガチャリと錠が外れる音がすると「優哉が開けて」と毎回必ずいう。それに何の意味があるのか分からない。

部屋へ踏み入れるとフットライトが玄関を青白く照らしている。鏡と一体化したシューズクローゼットの扉は全体を映すのでつい反射的に背を向けてしまう。

靴を脱ぐと足裏が想像より冷たくて「うっ」と声が漏れた。慌ててスリッパに足を突っ込む。

リビングに入ると人感センサーでダウンライトが点灯する。
明るすぎず暗すぎない空間の中で、対面式キッチンのカウンターのネオンテトラが水槽の蛍光灯の光にユラユラと反射して幻想的にうつる。

「今度は何の音が気になるのか?」

振り返って先生を見つめ首を横に振る。

「ちょっと今日はいろいろありすぎて……。こうして先生の家来れるのが当り前じゃないんだなとか考えたら…」

率直に気持ち吐きだしたはずの言葉が、自分の喉元を締め上げた。途切れた言葉の代わりに涙腺が緩んでまた大きな粒が零れはじめる。
先生の腕が腰を回って引き寄せられ胸の中にすっぽりと収められた。

「優哉……」

耳朶にかかるが押さえつけていた欲を呼び覚ませる。抑圧するものがないこの空間では盛りがついてしまった猫のように先生が欲しいと希求してしまう。

先生は気づいているのだろうか…。

背中に回された腕が、いつの間にかジャケットの中に滑り込んでいて脇腹をひやりとした感触が何度も行ったり来たりする。
両脇にスルリと手が侵入してきて自然と万歳の格好をさせられ、ジャケットを奪われた。

俺はそのまま先生の首元に腕を絡め背伸びして自分からキスを求めた。
舌先で閉じた唇を開かせることも、軽く甘噛みをしてさらに奥へと侵入させていくこともできるようになった。引き出された悦楽を同じように与えたくって舌の動きが大胆になっていく。

「優哉……?」

首元に絡みついたまま少し距離を取って「なあに?」と視線を合わせた。

「お腹空いてないか?」

――――えっ? 

「せんせ……今それ…聞くの?」

俺一人勝手に欲情して身体の中心はとっくに反応を示しているっていうのに…すげぇ…間抜けだな。

「優哉…勘違いすんな…。その…お前がだんだんエロくなっていくから…。分かるか?」

そう言うと俺の中心にグイッと一回り以上ある固くなったソレを押し当ててきた。

「あっ……」

先生……照れ隠し?思わず口元が緩んだ。だって可笑しいだろ、10も離れた男を普段は教壇の上で弁を取るこの男が可愛く見えたんだから。

「…笑ったな。生意気だ…優哉のくせに」
「だって…せんせいが…」

と言いかけた時軽く指先が触れる。

「先生じゃないだろ……」

二人っきりの時は名前で呼べと言われていた。今だハードルの高い課題だ。

「し…晶……せんせーが可愛いから…」

こんなことを言ったら怒るかな?と先生を覗きこむと真っ赤になって目を見開いていた。

「大人を煽るとどうなるか分かっているか?」

身体の向きをくるりと変えられ「寝室まで連れて行ってもらおうか」と背中に覆いかぶさってきた。


「お…重い…」

寝室にたどり着くと力尽きてそのままベッドへと倒れ込んだ。背中にかかる圧力もマットレスがゆっくりと沈んでいくのも心地いい。
髪に指を絡ませかき分けるとそっと首筋に口を近づけ「ご苦労さん」とふざけ啄むキスを落とす。何度も何度も繰り返され徐々に熱を発し始める。

「優哉…こっち向いて・・」

息が上がり始めた口を隙間なく塞がれ濡れた先生の舌が俺のソレに絡まってくる。鼻腔から送り込まれる酸素では足りず拘束を逃れたくて、手足をばたつかせる。

「覚悟はできているよね…もう待てないよ」
「…そんなの……。とっくにできてる…」

何度も何度も押し寄せては飛ばされる快楽に夢中になって縋り付いた。





グゥゥとなったお腹の音にビックリして目が覚めた。

「あれ……。俺…寝てた…?」

ヘッドボードに上半身を預け煙草をふかしている先生と目が合い、ゆっくりと煙を吐き出すと「寝てた…ていうか、落ちた…。俺置いていくなよ。そんなによかった?」とニヤリとした。

つい一時間前の事が思い出されて顔から火が出るほど恥ずかしくなり、布団に顔を埋めた。

サイドテーブルの上の灰皿にまだ半分以上残った煙草を押し消すと「すごく可愛かったよ」と俺の前髪をかき分けてキスをした。
悔しいけど敵わない…。「たばこ臭い」と悪態ついて押し戻すのが精一杯だ。

先生が何か思い出したようベッドから出ると、布団の中に冷気が流れ込んできて身を縮める。
リビングから戻ってくるとチョコレートの箱を手にしていた。わざと布団を大袈裟にめくって冷気を送り込みベッドに滑り込んできた。

「食べていい?」

俺は意地悪くイイよとは言わずにただ睨みつけた。
包装紙を剥す音が妙に緊張する。
一つ摘まんで口に放り込むと「夕焼けの味がするね…」と独り言のようにつぶやいた。
不覚にもまた涙が込み上げて思わず鼻を啜った。

「泣いてるの?」
「泣いてない…」
の攻防を繰り返していたらおかしくなって先に先生が噴き出した。

「優哉も食べる?」

首を縦に頷くと、取り出したチョコレートを眺め自分の口に入れてしまった。

「あ―――!ズルい!」

思わず状態を起こすとそのまま顔を掴まれ口を塞がれた。






最後までくれてありがとうございます(*'д'*人)♡





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